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交換会の機能について現代思想っぽく語る

こんにちは。
はなひ堂新井です。

先日(といっても去年の12月の話ですが)新潟古書組合の総会が行われました。

普段新潟の古本屋の各々と話をすることはあっても皆さんが揃う機会は総会と花見しかありませんので、私はいつも参加しています。

突然の話で恐縮ですが、私は普段から郷土関係の本(各地域の郷土史をはじめ各種雑誌、はたまた良寛、会津八一関係の本や水沢謙一、出版社でいうと考古堂さんや野島出版さんの本など、そんな感じの本)を買取する際には、かなり肌感覚に頼った査定をさせていただいております。

もちろんネット上の情報も参考にさせていただきますが、郷土関係の本に限り肌感覚に頼る理由は、郷土関係の本は(新潟という地方であることも原因かと思われますが)はっきりとした相場があるとは言い難く、売り値も読みづらいということが挙げられます。

そんなわけで私はことあるごとに新潟の同業者に「あの本はどうですか?」と聞いたりしながら己の肌感覚に磨きをかけている(?)のですが、一番良いのは買取額を聞くことだとはわかっていながらも、なぜかこれだけは聞けないままでいます(なんか聞きづらいんですよね)。

なので総会の際に話に上る郷土の本については注意深く耳をそばだてていますが、査定額は聞けないまでも交換会があればまた違うのだろうなと思っています。


当店は普段は主に東京古書会館(神田)の交換会(以下「市」)を利用させていただいているのですが、そこでは当然ながら新潟の郷土関係の本の出品などありません。

新潟では現在市は行われていないので、もしもあったならば、特に郷土関係の本などは皆さん頻繁にお売りいただいているでしょうから、私にとっては大変貴重なものになるだろうなと思っています。

いったい市で何がわかるのか不思議に思われるかもしれませんが、それはこういうことなのです。


古本屋の値付けは3つのことが関係しています。それは値段と速度と志向性です。値段は相場ということでいいですが、速度というとわかりにくいですが、要は売れやすさですね。あと志向性もわかりづらいですが、簡単に言うと大手新古書店が古い本を買いたくないとかそういうことですが、これを強度と名付けてみたいと思います。そして速度と強度という言葉が出てきたので(出てきたというか私が勝手に選んだだけですが(^_^;))、気持ちよく文章をつづらせていただくのなら、値段と速度、そして強度は査定額に微分されるのです。

ようは本の相場と売れやすさが買取価格に反映されるというわけですが、それはもちろん市の入札価格にもいえることです。

そうすると一体何がわかるのか?

値段と速度が買取額に微分されるのならば、買取額は値段と速度に積分されるのです。

つまり市の落札価格を積分すると、値段と速度が、そして入札者がその本をどのように考えているのかが透けて見えるというわけです。

どういうことかというと、市の落札額から、各々の古本屋が郷土関係の本をどのように見ているのかがわかるわけです。


途中から強度の話が抜け落ちてしまいましたが、強度こそが最も重要でありながら、話をわかりやすくするためにあえて省きました。

それを省かずに話を戻すと、強度とは積分の際に立ち現れるもの、言い換えると積分の際に立ち現れる香りのようなものです。

市でわかるのは落札価格のみですが我々は還元してしまう。それを値段と速度と強度に。そして我々が知っているのは値段と速度のみなのです。では強度はいかにして知ることができるのか。値段と速度の差異に違和感を覚えるその瞬間にこそ強度が関わっている。落札額のどこをどうつなげても我々の知る値段と速度につながらない。ならば関係しているのは強度に他ならない。違和感の正体こそが強度なのです。

我々は市で他の古本屋の強度を発見し、我々もまた発見される。二項のうちの一方の脱領土化ともう一方の再領土化。そしてこの循環により市ではリゾームが形成される。そしてまさにハイエースに本を積み込んだ瞬間、つまりリゾームから解き放たれた瞬間に己の強度が生成変化していたことを知る。


市は交換会と呼ばれます。そして我々は交換されたのは本だったのか強度だったのかはもはや思い出すことはできません。帰りの車の中に積まれた本は入札した時とは違って見えている。もしかしたら出品したものと同じ本を積んで帰っているのかもしれない。

そして私は愕然とすることになる。それは、今のままでは強度の交換会であるその場で香りを放つことさえも、ましてや異臭を放つことなど到底できないのかもしれないことに。値段と速度に囚われて強度への感度を疎かにしていたのではないかということに。差別化と呼ばれる経営上の言葉だけではなく、古本屋としての強度への憧れが募っている自分に。


*現在無謀にもドゥルーズを読んでいるせいなのかわかりませんが、途中から悪ふざけが過ぎているのか真剣に書いているのかよくわからなくなってしまいました。すみません。あとドゥルーズのせいにしてすみません。

はなひ堂ブログ 2017年1月22日