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片岡義男と村上春樹の話

kataoka191030


背の文字がよく見えなくても遠目からわかる本があります。


その一つが片岡義男の文庫です。少しどぎつい赤のカバーデザインで(青もあります)、遠目からでも片岡義男とわかります。同じようなカバーデザインの筒井康隆と見間違うことはありません(^_^;)。


そんな片岡義男ですが(?)、当店では何度も扱ったことがあります。先日も出張買取に伺った際に片手に収まるくらいの冊数が本棚に収まっていました。


その際にお客様が「村上春樹は片岡義男の正当な後継者なんですよ」とおっしゃいました。


村上春樹といえばカポーティやサリンジャーなど海外文学から影響を受けたと自ら公言している作家で、もちろん日本の作家にも影響を受けた作家がいるということでそんな本も出していたと思います。


ですが私の知る限り、彼自身が片岡義男から影響を受けたと書いた文章は見たことがないし、他の方が書かれたそのような文章を見かけたこともありません。


もちろん私の知る世界は小さな世界ですので、もしかしたら他の方が書いた文章も他にあるかもしれませんし、または実はこっそり片岡義男と交流があり、その小説思想に影響を受けていた…のかもしれません。


私は高校時代(1990年半ば)に村上春樹を知り、その後夢中になって読んでいました。小説はもちろんエッセーも全て読んだはずですが、その中で彼が日本の作家に言及したことはまれで、私の記憶にある限りでは「村上龍は非凡な作家だ」という一文のみが彼が日本の作家を表した全てでした。


その後1990年台後半に上京してからは途端に読まなくなり、とはいえ長編、短編は出れば大概読んでいるのですが、エッセーはほとんど読むことがなくなり、そのため私の知る小説以外の村上春樹は「村上朝日堂」シリーズを最後に止まっている状況です。


ですので「村上春樹は片岡義男の正当な後継者なんですよ」と言われたときは、度肝を抜かれたと同時に片岡義男に少し興味が出てきました。


私の片岡義男の印象は、一言で言えば「定番の絶版文庫を多く出版している著者」という身も蓋もないもので、それは印象というか職業病の一種かもしれません(^_^;)。


ですがこの度はこの職業病が吉と出るケース(?)、実際に読んでみることにしました。手に取ったのは「スローなブギにしてくれ」という文庫。軽快なタッチで物語が進んでいきます。


読み終わった印象は、確かに村上春樹にも似たような軽快さはあるなという印象ですが、後継者かと言われると判断が難しい。石田衣良が後継者というのならば少し納得できそうですが…。うーん。これならばジャンプバトルマンガでドラゴンボールはキン肉マンの正当な後継者とかそんなことも言えそうな気が…。


話がよくわからなくなってしまいましたが(^_^;)、とにかく軽快で読みやすく、ヘビーな内容もサラリとまとまっていて楽しい感じでした。1970年代の空気もほのかに吸えた気もします。


ただ、私には当時の文脈がわかりません。どのように片岡義男が読まれていたのかもわかりませんし、どのようにメディアで扱われていたのかも知りません。現代の文脈で(なおかつおっさんの頭で)片岡義男を読んだだけです。


なので本当は村上春樹は片岡義男の正当な後継者かもしれませんし、あるいはそうでないのかもしれません。どちらも読後ビールが飲みたくなる作品が多いという結論で、この議論(?)を終了させて頂きたいと思います。

はなひ堂ブログ 2019年10月30日