苦手意識があるからこそ保てるもの

こんにちは。
はなひ堂新井です。


電話を受けるのが苦手なスタッフがいて、とはいえはたから見ればそんなに問題があるようにも思えないのですが、本人は苦手にしているようです。


私もサラリーマン時代には電話を受けるのが苦手で、特に他の人あてにかかってきた電話の要件を聞いたりするのに苦手意識をもっていた記憶があり(なにせ10年近く前のことなのでほとんど忘れています(^_^;))、「電話が苦手なんですよ」と人から言われれば、ウンウンわかるわかると頷くことになります。


ですが自営業者ともなれば苦手がどうのとは言ってられず、苦手でもなんでも一つ一つお客様からのお電話に真剣に対応することしか生きるすべはないので、必死で対応しているうちに苦手意識は完全になくなりました。


とはいえ苦手意識がなくなったからといって上手になったとは言えませんので、もしかしたら他のスタッフからは「店長って電話の対応が変だよね」と言われているかもしれません(^_^;)。もしそうであれば大変申し訳ありません。


私に苦手意識がなくなったのは、それ以上に重視すべきこと(お客様の一つ一つに真剣に対応すること)があるからというのと、それと上司がいない気楽な環境ゆえに怠慢(?)のようなものもあり、それが肩から力が抜けて苦手意識を持たずにやれている理由である気もします。


つまり気楽にのびのびとやれる環境のほうが力を発揮できる人もいるということで、私はそれもあってこの奇妙な商売を続けられているのかもしれません。


話は飛びますが、月曜日は恒例の東京の市場へ行ってきました。


今週は言わば惨敗といってもいい状態で、もちろんそんな日もあるのは当然なのですが、行き帰りの交通費すら出たのかわからないような状況でした。


そしてそれは完全に私に問題があり私の責任、私の能力不足…というとまさにその通りなのですが、見方を変えれば仕事は時の運、または仕事はタイミングが全て、というようなこともあり、そんな状況に陥った時に私にできることはといえば、なぜ惨敗を喫したのかを分析して次につなげることだけです。


真剣に対応して惨敗したら分析して次につなげる…それだけです。


そう、本来であればそれが全てなのですが、そこは古本屋。帰りの新幹線の中でああでもない、こうでもないと過ぎ去ったことにクヨクヨしながら読書に身が入らない帰宅になってしまいました。


スタッフの皆さんが数百円の本を何十冊も売って作ったものを一撃で溶かしてしまった、ソーニャが体を張って作った金で酒を飲んでしまった「罪と罰」のような世界(燕三条からは車なので飲んではいないです)。


ただそれはおそらくどの組織にも必然的に備わっている負債のようなものだと思います。そしてそれはどんなにクヨクヨしようが解決策はただ一つで、それが分析して次につなげることだけです。いわゆるPDCAを回すというやつです。


ですがクヨクヨすることも必然的に付きまとってしまう。そして古本屋とはとどのつまり、そのクヨクヨすることにむしろ力を込める存在なのではないかとも思ったりもします。


それは、気楽にのびのびやれる環境というのは基本的には弛緩した環境で、フィードバックの効きづらい環境と言い換えてもよく、もしかしてクヨクヨすることのみが唯一フィードバックへの足掛かりとなるのかもしれないという漠然とした夢想からそう思ったりもします。


もしも電話が苦手ならば、致命的な問題に関しては分析して次につなげる。


ですがそこにはクヨクヨする問題も発生してしまう。


そしてその問題に関しては暖かく見守る…つまり苦手であるがゆえに圧倒的な強度を保つ可能性を秘めているのではないでしょうか(話がよくわからなくなってきてしまいましたので、この辺で終わらせていただきます(^_^;))。

はなひ堂ブログ 2019年2月27日