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俳句の本をお売り頂いた時の話

「俳句関係の本があるのだが、そちらに持っていっても構わないか?」とお客様が電話口でおっしゃったのですが、あいにくその日は別の場所に出張買取に行っており、なおかつその日は日曜日のためスタッフ不在で窓口は閉めていました。


ですが出張買取の場所はお電話いただいているお宅からは近かったので、「すみません。今日はやってないんですよ。出張買取になら伺うことができますがいかがでしょうか」とお答えしますと、「それじゃあ来てもらおうかな」とお答え頂いたので伺うことにしました。


お邪魔して部屋に通していただきますと、俳句の本で埋まった棚がありました。


その脇に紐でまとめられた本があります。


その中に一冊背に何も書かれていない本があり、不思議とその本が気になります。


なぜかわからないが気になってしまう本ということはよくあり、気になったからといって大した本であることは少ないのですが、よくよく調べてみると面白いものだったということもないことはないので、常日頃この辺の直感は大事にしたいと思っています。


なので「こちらの縛ってある本もお売り頂けるものでしょうか」とお聞きすると、「そっちのものは捨てようと思っていました」とおっしゃいます。


よろしければこちらも見せていただきたいのですがとお願いし、承諾いただけましたので紐をほどいて見せていただきました。


背には何も書いてありませんが、表紙には題名が書いてあります。


そしてその人物の名前は私の頭の片隅にあったのですが、その書籍を見たことは今までになかったため、出版された書籍は無いものだと思っていました。


それゆえに見た瞬間はびっくりし、また大袈裟ですが「今日はこの本を買いに来たのだ」と思ったほどに興奮してもいました。


表紙には「浜口今夜句集」と書いてありました。


haiku-gazou-18-2-28


大正から昭和にかけて、新潟の俳句界は中田瑞穂、浜口今夜、高野素十の3人を中心に回ってきました。


虚子門下の中田瑞穂が最初に来て、それにつられるようにして他の2人が新潟医科大学に来ることになったためです。


俗に言う越後の三羽鴉です。


中でも中田瑞穂の存在感は絶大で、出版される新潟の俳人の本(もちろんそれらの多くは自費出版ではありますが)のほとんどの帯や紹介文を書いています。という印象です。私の中では(^_^;)


さらに個人的印象ついでに書かせていただきますと、中田瑞穂、高野素十は有名かと思いますが、浜口今夜は私の中ではあまり印象が薄く、それは浜口が早逝だったこともあるのかもしれませんが、前2人に比べて関連書籍も少ないと思います。


もちろん「ホトトギス」や、まさに今買取り現場(?)にもある「まはぎ」の合本には当然彼の句も見つかるのだろうとは思うのですが、句集を出しているとは思ってもみませんでした。


ではこの句集は一体なんだと思い、ポケットからスマホを取り出して「日本の古本屋」というサイトで検索してみます。


すると、なんと浜口今夜の著作が数点見つかってしまいました。


インターネットとは恐ろしいものです。己の無知に嫌気がさしてしまいました。


とはいえ希少であることには変わりはなく、ただ俳句の本ということで需要を読むのが非常に難しいということもあって査定は難航を極めましたが、査定結果をお伝えしてお支払いして帰路につきました。


また、中には蒲原宏先生(お会いしたことなど当然ありません)の書籍も少々。句集もありました。


郷土関係の本はよく見る本も多く、時おり新潟関連の書籍を全て知っているかのごとく思ってしまう錯覚というか傲慢というか、そんな不遜な自分を見つけてしまうことがあります。


そして今回のようなことがある度に、そんなことは全くなく、すべてが思い上がりに過ぎないということがわかり、錯覚だけでなく日々積み上げていた(気がする)微かな自信さえも吹き飛ばしてしまいます。


今回も微かな自信が吹き飛び、また明日からは何もない状態で本の前に立つことになりそうですが、浜口今夜句集が棚に並んでいるという微かな変化だけが辛うじて慰めになってくれる気がします。

はなひ堂ブログ 2018年2月28日